フォルクスワーゲングループの事業戦略において中心的役割を果たしている『製品のモジュール化』の既要を手早く理解するための情報をシェアします。(下記のイメージをクリックするとPDFがダウンロードできます)
以下にこのペーパー(17ページ)のまとめの部分を引用します。
6.まとめ
VWグループは2018年にはVWグループ全体で 販売台数、収益、顧客満足度、従業員満足度で世界 1位となることを目標とする「Strategy 2018」 を掲げ、推進中である。この計画の実現にはデザ インの役割が非常に大きい。経営戦略、組織面か らもグループ内のデザインの位置付けからもその 重要性は明らかである。
今回は紙面の関係でデザイン組織や開発プロセ ス面については触れることができなかったがVW グループはグローバルに18のデザイン拠点と約 2000人の人員規模を持ち、BRICsなどの重要市 場の拠点強化に積極的である。その中には初代ゴ ルフデザインを担当した外部のイタルデザイン社 を2010年に買収し、外部組織として位置づけて 新コンセプト提案の役割を持たせている。
開発プロセスについてもデジタルツールの導入 以来、現在ではデザイン開発に24ケ月、デザイ ン凍結からラインオフ迄24ケ月が標準となり、 従来から比べると大幅に短縮化されている[32]。
最後に、VWグループのデザイン戦略の特徴を まとめると以下の点が挙げられ、今後のグローバ ルデザイン戦略の在り方が見えてくる。
- グループ全体で統制のとれたデザイン戦略を推進している。
- 各ブランドの歴史、伝統をベースに一貫性をもって時代を先取りするデザイン展開を行って
いる。 - ターゲットを競合ブランド、ターゲットユーザーの視点で明確化している。
- デザイン戦略が企業戦略の中で重要な要素であることが認知され、デザイン部門は企業トップ
マネジメントの中で優先順位が与えられている。 - ブランドの確立には上位のイメージ作りを重要 視しており、上流から下流へイメージの展開を 図っている。AUDIがコアとなり、全てのグループ内のベンチマーク的存在となっている。
- モジュールアーキテクチャーによりデザインの柔軟性と設計的共用化を実現し、開発から生産
までの独自のシステムを構築している。
このようにVWグループのデザイン戦略は欧州 ブランドに共通するストック型のデザイン戦略と 位置付けられる。
以上